FP3級講義、第4回社会保険を始めます。
第3回はこちら☞ライフプランニング策定上の資金

結構中身は重め
絶対に問題演習を何度も繰り返してね
この記事はこんな人におすすめ




今回は第4回の社会保険。
覚えることは多いけど実生活でも役立つ
社会保険の種類

社会保険ってつまりなに?
社会保険とは、日本における国民の健康や福祉を守り、生活の安定を図るための公的な保険制度です。以下の5つの保険から構成されています
出展:日本の人事部より
- 健康保険(医療保険): 病気やけがの治療費を支援する保険
- 厚生年金保険: 老後の生活を支える年金を提供する保険
- 介護保険: 介護が必要になった際のサービスを受けられる保険
- 労災保険: 業務上の事故や病気に対する保障を行う保険
- 雇用保険: 失業時の生活支援や再就職を促進する保険


たくさんあるね
公的医療保険の基本

保険制度の基本用語 | |
保険者 | 保険制度の運用主体 |
被保険者 | 保険の対象となっている人 |
被扶養者 | 日本に住所があり年収130万円未満かつ被保険者の年収の2分の1未満である人 ※60歳以上または障がい者については180万円未満 |
こども保険(学資保険)
こども保険(学資保険) | |
貯蓄機能がある | 保険料を支払えば満期時に満期保険金を受け取れたり、入学時や進学時に祝い金を受け取れる |
保証機能がある | 親が死亡した場合、以後の保険料の支払いが免除される。以後保険料を支払わなくても満期保険金や祝い金が受け取れる。親の死亡後、保障期間終了時まで年金が支払われるタイプもある。 |

親が亡くなったら保険料免除は押さえておこう
あとはいろいろな受取があるんだな~程度でOK
- 健康保険 会社員とその家族が対象
- 国民健康保険 自営業者とその家族が対象
- 後期高齢者医療制度 75歳以上の人が対象
健康保険
被保険者とその扶養者に対して労災保険の給付対象とならない病気やケガ、死亡、出産について保険の給付を行う制度。

保険料
被保険者の月収(標準報酬月額)と賞与に保険料率を掛けて計算し、
その金額を会社と被保険者で半分ずつ負担する(労使折半)
・都道府県ごとに異なる
- 療養の給付、家族療養費
- 高額療養費
- 出産育児一時金、家族出産育児一時金
- 出産手当金
- 傷病手当金
- 埋葬料、家族埋葬料
①療養の給付、家族療養費

日常生活(業務外)の病気やケガは一定の自己負担がある
※75歳以上は後期高齢者(後述)
②高額療養費
月間の医療費の自己負担額が一定額を超えると超過額請求で返金される。
所得区分 | 自己負担限度額 | |
① | 標準報酬月額 83万円以上 | 252,600円(医療費-842,000円)×1% |
② | 標準報酬月額 53万円~79万円 | 167,400円(医療費-558,000円)×1% |
③ | 標準報酬月額 28万円~50万円 | 80,100円(医療費-267,000円)×1% |
④ | 標準報酬月額 26万円以下 | 576,00円 |
⑤ | 住民税非課税世帯 | 354,00円 |

③のところを使って計算で求めるよ
式は覚えなくていいけど解き方を確認しよう
③出産育児一時金、家族出産育児一時金
被保険者または被扶養者が出産した場合、一児につき50万円
(産科医療補償制度に加入している病院で出産した場合)が支給される
→双子は100万円
④出産手当金
被保険者が、出産のため仕事を休んだ場合給与が支給されない時に、
出産前の42日間、出産後の56日間のうちで仕事を休んだ日数分金額が支給される
1日当たりの支給額=支給開始日以前12か月間の各月の標準報酬月額を平均した額÷30日×2/3
⑤傷病手当金
被保険者が病気やケガを理由に会社を3日以上続けて休み、給料が支給されない
場合に、4日目から通算1年6か月間支給される。※1日目からではない
1日当たりの支給額=支給開始日以前12か月間の各月の標準報酬月額を平均した額÷30日×2/3

⑥埋葬料、家族埋葬料
被保険者が死亡したとき、葬儀をした家族に対し5万円が支給。
被扶養者が死亡したときは、被保険者に5万円支給。
任意継続被保険者

超頻出!絶対とろう★★
にんいのに~~~~
被保険者が会社を退職した場合、健康保険の被保険者の資格はなくなるが、
一定の要件を満たせば退職後2年間退職前の健康保険に加入ができる。保険料は被保険者が全額自己負担する。
国民健康保険(国保)
国民健康保険は、自営業者や未就業者などを対象とした保険
保険料は市区町村によって異なり、前年の所得等によって計算される

自営業や学生向けの制度
後期高齢者医療制度
75歳以上の(65歳以上75歳未満の障害認定を受けた)人が対象
自己負担限度額は医療費の1割
(一定以上所得のある人は2割、現役並み所得者は3割)
保険料…原則年金からの天引き(年額18万円以上の年金支給されている人)
保険料の徴収は市町村が行う


赤い→のところだね
退職者向けの公的医療保険
国民皆保険の原則から、退職後もいずれかの保険に加入する義務がある。
①任意継続健康保険
②国民健康保険
③家族の被扶養者
【条件】
・健康保険の被保険者期間が継続して2か月以上
・退職日の翌日から20日以内に申請
【加入期間】最長2年間【保険料】全額自己負担
【手続き】
退職日の翌日から14日以内に市区町村に申請する
【保険料】全額自己負担
健康保険の被保険者である家族の被扶養者となる
【保険料】負担なし
公的介護保険
介護保険とは介護認定された場合に、必要な給付がされる制度。
保険者は市区町村。
被保険者は40歳以上の人で、65歳以上の人を第1号被保険者、
40歳以上65歳未満を第2号被保険者という。
★程度に応じて分けられる。要介護は5段階、要支援は2段階

そして次が今回の分野で一番出るところ
メリハリをつけて学習してね
第一号被保険者 | 第二号被保険者 | |
対象者 | 65歳以上 | 40歳以上65歳未満 |
保険料 | 市区町村が所得に応じて決定 年金を年18万円以上受け取っている人は年金から天引きで給付 それ以外の人は個別に市町村に納付 | 【健康保険の場合】 協会けんぽの介護保険料率は1.6% 【国民健康保険の場合】 前年の所得等に応じて決定 |
受給者 | 要介護者、要支援者 原因を問わない | 老化に起因するもの(特定疾病)によって要介護者、要支援者になった場合のみ ★初老期認知症、脳血管疾患など。交通事故で要介護になっても受けられない |
自己負担 | 原則1割(支給限度額を超えた場合、超過額は全額自己負担) 第一号被保険者のうち一定以上が所得があると2割、特に所得が高いと3割 ケアプランの作成費は全額無料 |
第一号被保険者…カゴ(介護)のイチゴ(一号)をむこう(65歳以上)
第二号被保険者…シレッ(40歳以上)と二階(二号、介護保険)の廊下
(廊下に起因)を走るな!

年金保険
第五回・六回講義にて
労働者災害補償保険(労災)
業務上や通勤途上(合理的な経路)における労働者の病気、ケガ、障害、死亡等に対して給付が行われる
※合理的な経路とは?
労災保険 | ||
対象者 | すべての労働者(アルバイト、パート、日雇い、外国人など) 経営者や社長は含まれない | |
保険料 | 事業の内容ごとに決められる 保険料は全額事業主が負担 | |
給付内容 | 休業補償給付…労働者が病気などで休業すると4日目から給付基礎額の60%が支給される 傷病補償年金…労働者が業務上のケガや病気により療養し、療養開始後1年6ヵ月経過しても傷病がなおっておらず、傷病等級1級から3級に該当する場合に支給される |
特別加入制度…社長や役員、自営業者などは、労働者ではないため労災保険の対象とならないが、一定の場合には労災保険に任意加入できる制度のこと
★労災保険の適用を受けない中小事業主や、タクシー業者や大工さんなど

対象者・保険料を重点的に
そのほかは細かいので3級なら後回しでもOK
雇用保険

雇用保険 | 労働者が失業した場合に必要な給付を行い再就職を支援する制度 | |
対象者 | すべての労働者(社長や役員、個人事業主とその家族は不可) | |
保険料 | 保険料は事業主と労働者で負担(折半ではない) 保険料率と保険割合は業種によって異なる | |
給付内容 | ①基本手当 ②就職促進給付 ③雇用継続給付 ④育児休業給付 ⑤教育訓練給付 |
基本手当
基本手当(失業保険) | 失業者(働く意思と能力はあるが、失業している人)に対する給付 | |
対象者 | 離職前の2年間に被保険者期間が通算12カ月以上あること。 倒産、解雇等の場合、離職前の1年間に被保険者期間が通算6カ月以上あれば受給可能。 | |
保険料 | 求職の申込みを行った日から7日間は支給されない(待期期間)。 | |
給付内容 | 自己都合退職の場合待期期間7日間に加え、原則2カ月間は支給されない(給付制限)。 |

対象者は頻出なのでおさえよう
基本手当の給付日数
①自己都合、定年退職の場合
①自己都合、定年退職の場合 | |||
10年未満 | 10年以上20年未満 | 20年以上 | |
全年齢 | 90日 | 120日 | 150日 |
②倒産、会社都合の解雇等の場合 | |||||
1年未満 | 1年以上5年未満 | 5年以上 10年未満 | 10年以上 20年未満 | 20年以上 | |
30歳未満 | 90日 | 90日 | 120日 | 180日 | - |
30歳以上35歳未満 | 120日 | 180日 | 210日 | 240日 | |
35歳以上45歳未満 | 150日 | 180日 | 240日 | 270日 | |
45歳以上60歳未満 | 180日 | 240日 | 270日 | 330日 | |
60歳以上65歳未満 | 150日 | 180日 | 210日 | 240日 |


すぐもらえるわけじゃないんだね

日数はしっかりおさえておこう
雇用継続給付
雇用継続給付 | 高齢者や介護をしている人に対して必要な給付を行い、雇用の継続を促すための制度 | |
高年齢雇用継続給付 | 被保険者期間が5年以上の60歳以上65歳未満の被保険者で、60歳到達時の賃金月額に比べ75%未満の賃金月額で働く人に対して、各月の賃金の最大15%相当額が支給される。 ①高年齢雇用継続基本給付金…60歳以降も雇用されている人に支給 ②高年齢再就職給付金…基本手当を受講後、再就職した場合に支給 | |
介護休業給付 | 家族を介護するために休業した期間について、支給対象となる家族には93日を限度に3回までに限り、休業前の賃金の67%相当額が支給される |
数字は頻出 語呂で抑えよう
育児休業給付
雇用継続給付 | 育児と仕事の両立を支援するための制度 | |
育児休業給付金 | 満1歳未満の子(一定の場合には1歳6ヵ月または2歳未満の子)を養育するために育児休業を取得した場合休業開始前賃金の67%相当額(6ヵ月経過後は50%相当額)が支給される | |
出生時育児休業給付金(産後パパ育体) | 子の出生日から8週間経過日の翌日までの期間内に、4週間(28日)以内の期間を定めて、子を養育するため出生時育児休業を取得した場合は休業開始前賃金の67%が支給される |
上記と同じく数字が頻出 しっかり押さえよう
教育訓練給付
教育訓練給付とは | 労働者等が自分で費用を負担して、厚生労働大臣が指定する講座を受講し、修了した場合にその費用の一部が支給される雇用保険の制度 |
一般教育訓練給付 | 雇用保険の被保険者期間が3年以上(初めての受給の場合は1年以上)の被保険者は、受講料等の20%相当額が支給される。支給額の上限は10万円。 |
特定一般教育訓練給付金 | 雇用保険の被保険者期間が3年以上(初めての受給の場合は1年以上)の被保険者が、厚生労働大臣指定の特定一般教育訓練(速やかな再就職および早期のキャリア形成に資する教育訓練)を受講し、修了した場合、受講料等の40%相当額が支給。支給額の上限は年間20万円 |
専門実践教育訓練給付 | 雇用保険の被保険者期間が3年以上(初めての受給の場合は2年以上)の被保険者が、専門実践教育訓練を受講し、修了した場合、受講料等の50%相当額が支給。支給額の上限は年間40万円、支給期間は最長3年。資格取得の上、就職につながったら、さらに受講料等の20%が加算(上限は年間16万円) |
そこまで頑張らない 余裕があったら数字を軽く押さえておく

覚えるの多すぎ!!

問題を解いて慣れよう!
あとは語呂も使ってみてね
演習問題
問1 〇×問題
全国健康保険協会管掌健康保険の被保険者である会社員が、退職後に任意継続被保険者となるためには、資格喪失日から14日以内に任意継続被保険者 となるための申出を しなければならない。
問2 〇×問題
全国健康保険協会管掌健康保険の被保険者が、産科医療補償制度に加入する病院で出産 した場合の出産育児一時金の額は、 1児につき50万 円である。
問3 選択問題
全国健康保険協会管掌健康保険の被保険者に支給される傷病手当金の額は、原則として、1日 につき、傷病手当金の支給を始める日の属する月以前の直近の継続した ( ① )の各月の標準報酬月額の平均額を30で除した額に、 ( ② )を 乗じた額である。
(1)①6カ月間 ②3分の2
(2)①12カ月間 ②3分の2
(3)①12カ月間 ②4分の3
問4 〇×問題
国民健康保険の被保険者は、原則として、70歳に達した時にその資格を喪失 し、後期高齢者医療制度の被保険者となる。
問5 〇×問題
公的介護保険の第 2号被保険者は、要介護状態 または要支援状態となった原因を問わず、保険給付を受けることができる。
まとめ
範囲が広いのでメリハリをつけた学習をしましょう。

次回は第五回公的年金保険の全体像になります。
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